おはようございます。
「火災現場は皆、写真に撮るし、時に報道され、拡散されるので、消防車に広告枠を設けたら、消防庁の売り上げにつながるのかも」と考えたキングコング西野こと『道徳バグってる』です。
さて。
今日は「宣伝が下手すぎるリーダー」という、少し耳の痛い話をしたいと思います。
正しく算盤をはじけ
僕には「お酒が好き」みたいなイメージがつきまとっていますが、家で一人で呑むことはありません。
僕が呑むのは、「クラウドファンディングのリターン」か、「人に会う時」です。
リーダーの仕事は3つ。
『人を集める』
『モノ(環境)を集める』
『金を集める』
です。
僕は「舞台作品」を作っていますが、当然、一人で作っているわけではなく、各業界のトップランナー達と手を組んで作っています。
美術の「佐藤さん」や、照明の「イジツさん」がいなければ、あのような舞台を作ることはできません。
生まれた時から「佐藤さん」や「イジツさん」と一緒だったかというと、そんなわけがなくて、「佐藤さん」に出会うことにコストを割き、「イジツさん」に出会うことにコストを割き、そして、彼らを惚れさせて、ナンパしていなかったら、今のチームはありません。
これらはリーダーの仕事で、吉本興業の大崎会長も「出会い」にコストを割いていました。
大崎会長と呑んでいる席で「吉本で『教育』に力を入れたいんやけど、誰かエエ人おらへん?」と相談され、「それだったら、ビリギャルの坪田先生ですよ」とお返事した、翌々日には、坪田先生に会いに行っていました。
仕事の現場で大崎会長を見かけることはほとんどありませんでしたが、裏では、そんな感じで“リーダーとして”走り回っておられました。
それに習って、僕も、なるべく「この人、素敵かも!」という人に会いに行くようにしています。
そのままビジネスパートナーになることはほとんどありませんが、それをやらないと、優秀なビジネスパートナーは生まれない。
いつも、脚本を書く手を止めて(後ろ髪を引かれながら)、呑みに行っています。
ニューヨークのリーディング公演の演出を務めてくれた「ウィル」も、そうして出会った才能の一人です。
あなたが労働者側で、あなたのチームのリーダーが『現場に立つこと』を是としている人(=人を引っ張ってくることにコストを割かない人)ならば、「逃げるなタコ!労働者じゃなくて、経営者として結果を出せ!」とケツを蹴り飛ばすといいと思います。
そして、労働環境(モノ)を整えるのもリーダーの仕事です。
#この話はまた今度
そして、『お金』を引っ張ってくるのもリーダーの仕事です。
絶対に間違っちゃいけないのは、「リーダーが会社の生産量と引き換えに引っ張ってきたお金を、社員で分配する」ということです。
社員がお金を作るわけではありません。
お金を作るのは、あくまでリーダー(経営陣)で、社員はそのお金を分配してもらう立場にあります。
なので、リーダーがお金を引っ張ってこないチームは、どれだけ働こうが、いつまでたっても貧乏です。
現場に立ち「働いているフリ」をするリーダーに対して、「逃げるな!」と言わなきゃいけないのは、そういった理由です。
ダウンタウンのリーダーは吉本興業であり、
宮崎駿のリーダーは鈴木敏夫です。
彼ら(リーダー)は、自社の資源を使って、お金を作ります。
さて。
引っ張ってきたお金を「どう分配するか?」を考えるのもリーダーの仕事です。
分配が下手だと、お金は溶ける一方。
今日は、そんな話です。
目先の「取り分」に走るなバカ
ずいぶん、荒々しいタイトルです。
ただ、今日の話は、「西野亮廣」になったテイ(西野の目線に立って)聞いていただけると、一発で「うわっ!めちゃくちゃアホじゃん…」となると思います。
僕は作品の利用権利をしばしば解放しています。
ま、それもあって、『えんとつ町のプペル』を使って、何かマズイことをやっちゃう素人さんがいた時は、すべての火の粉が僕に降りかかってくるわけですが、そういった理不尽(知らねーよ)の類いを全て受け止めた先にどんな景色が広がるのか見てみたいので、今日も「どうぞ、使ってください」と言っています。
話はここからです。
『えんとつ町のプペル』を使ってビジネス(商品開発やイベント)を仕掛けている人はたくさんいるのですが、そういった方々から、「売り上げの一部を西野さんに入れたいのですが」と提案されたことって、一度もないんです。
くれぐれも言ってきますが、「そんな野暮なことを俺に言わせるなよ。フリーライドしてるんだから、あんたらの方から『お金』の話をするべきだろ!」と言いたいわけではなくて……シンプルに「それ、すっごいバカだよ」というメッセージです。
というのも、たとえば、『えんとつ町のプペル』のイベントをやる素人の主催者さんは、一人でも多くのお客さんに来てもらう為に、広告費を払って、Facebook広告を出したりしてるんです。
「そこにお金を使うんかい!」です。
ぶっちゃけ、「広告」とかって見ないし、踏み込んだ話をすると、その広告を見ている人は『えんとつ町のプペル』の見込み客じゃないわけじゃないですか。
つまり、広告の費用対効果がメチャクチャ悪い。
誰も見ない広告に「広告費」を払うぐらいなら、「チケットの売り上げの一部を西野さんに渡します」と言って、『チケットが売れれば売れるほど西野が得をする状況』を作って、Voicyとかで西野に毎日宣伝させた方が良くないっすか?
西野関連のイベントの告知は、西野本人がするのが一番刺さるのだから。
今、話を聞いて、ほぼ全員が「そりゃそうだよな。ちょっと考えりゃ分かるじゃん。バカなの?」という感想を思うのですが、ただ、「言うは易し」で、これ、自分がリーダーになってみると、なかなか難しいようです。
いざ、自分がリーダーになると、『トータルのお金』ではなく『目先のお金』に走ってしまうみたい。
今日の話は、くれぐれも「西野に売り上げをよこせ!」という話ではなくて、「トータルの売り上げを考えた方がいいよ」ということと、「こうして聞けば分かることでも、やってみると、できない(目先のお金に走ってしまう)」という性格を自覚しておいた方がいいと思います…という話です。
他人のクラファンの長文は絶対に読まないくせに、自分がクラファンをする時は長文を書いちゃう…みたいな。
リーダーを務めるなら、『お金』とはトコトン向き合う必要があります。
その上で、弱い人を守ってあげてください。
現場からは以上です。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。