※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。

お祭りと衣装

2021.09.03 / 西野亮廣エンタメ研究所

おはようございます。
肩に乗るキンカジュー(福岡の山奥で見つかった変な生き物)の映像に、どこか既視感があると思ったら、『風の谷のナウシカ』だということが発覚して朝から叫んでいるキングコング西野です。
#小動物にメロメロの41才

さて。
今日は『お祭りと衣装』について、「ウラが取れているわけではないけど、たぶん、こうじゃないかなぁ…」と思っていることがあるので、そちらを共有したいと思います。

『映画 えんとつ町のプペル』のハロウィン限定復活上映に関する話です。



とっても大切な地味な仕事が続く
 

自分が選ぶアクションはキチンと構造から理解しておかないと、成功した理由も、失敗した理由も分からないし、理由が分からなければ、再現できません。何事においても。

なので、後輩や、サロンメンバーさんは、昨日の記事もそうですが「手持ちのカードがコレなもんだから、こういう目的をもって、こういう手順で、○○をやります」と丁寧に説明するようにしています。

説明することで、自分にも言い聞かせている(確認している)部分もあるのでしょう。

決して、「WHY」や「HOW」を抜いて、「○○をやります!」だけで、話を進めることを僕はしません。

今回のチャレンジは「ハロウィンはプペルを観に行く」という【文化づくり】(恒例行事づくり)です。

内々のコミュニティーだと、『天才万博』(※毎年年末におこなわれている音楽フェス)で、すでに【文化づくり】をやっていますが、全国に向けて仕掛けるのは今回が初めて。

何をすれば…どのポイントを押さえれば…映画が“ハロウィンイベント化”するのか?
まだまだ、いろいろと分からないことだらけです。
#試すしかない

そんな中、実は今、CHIMNEYTOWNでは、映画の再上映に合わせて、急ピッチで『プペルの傘の形をしたニット帽(プペル帽)』の開発を進めています。

突然、話題に出てきた「プペル帽」ですが、ここでは「なぜ、プペル帽を作るのか?」というお話をしたいと思います。
#説明がイチイチ丁寧な男



何者かになる変身ベルト
 

8月23日に「ハレの仕事を作る為には、何の力が必要か?」という記事を投稿したのを覚えてます?

※コチラ

【必要なのは「演出家」である】
https://www.facebook.com/groups/157664324853695/permalink/866629443957176/

まだ(↑の記事を)読まれていない方は、先に読んでいただきたいのですが、やっぱりハレを作る上で大切なのは、「何者かにしてあげるデザイン」で、そのうちの一つとして『衣装(ユニフォーム)』は外せません。

手拭いをキリッと巻いた法被姿は美しくて、あの衣装をまとった瞬間に、「見られること」を意識して、何者かになります。

ウェディングドレスも、そして、なんといっても、ハロウィンの仮装もそう。
あの瞬間、何者かになり、ハレ(非日常)が始まる。

ところで、

ときどき、クラウドファンディングのリターンで、『スタッフオリジナルTシャツ』とかが出ていたりして、「イベント名前がデカデカとプリントされた、そんな恥ずかしいTシャツ、着たくねーよ(笑)」となりませんか?

あの現象って、すごい面白いなぁと思っていて…

まぁ、結論から言うと、どう考えたってダサいんです。
普段着としては着れたもんじゃないんです。

胸に『革命フェス 2021』みたいなプリントが入っているTシャツとか、絶対に着たくないじゃないですか?

でも、クラウドファンディングのリターンで出品されているところ、よく見かけませんか?

ようするに、出品者は「需要がある」と思っている。
なぜなら、プロジェクトチームの皆の需要があるから。

プロジェクトチーム内では、あのクソ恥ずかしいTシャツの需要があるんです。

ここから割り出せる答えは……変身ベルトたる「衣装」には、「見られることで何者かになる衣装」と、「見ることで何者かになる衣装」の2つがあるということ。

「他人に向けた衣装なのか、自分に向けた衣装なのか?」という話です。

もっと分かりやすいのが、「緊急事態宣言下における『白髪染め』」です。

※この回、死ぬほどおもろかった↓
https://youtu.be/JfCZKJGQ-Uw
 

東京の街から人が消えた一回目の緊急事態宣言下でも、唯一、売上が落ちなかったのは(変わらず、お店に足を運んでくれたのは)『白髪染めをするお客さん』だったそうです。

この時、『白髪染め』というものが、他人に向けた変身(見られる為の衣装)ではなくて、「老けた自分を鏡で見たくない」という、自分に向けた変身(見る為の衣装)だということを僕らは知りました。

在宅需要だったんです。

面白いですよね。

「人間は、他人が存在していなくても、変身したがる」という話です。
誰からも見られていなくても、部屋で一人で変身したい人がいるんです。

でも、考えてみれば、僕も中学生の時に、部屋で一人で弾けないギターをブラさげて、THE YELLOW MONKEYになりきって、口パクで歌っていたような気がします(笑)

今回、僕らは映画をハロウィンイベント化する(ハレ化する)為に、プペル帽(見られる用の衣装)の開発を進めていますが、その時…

①見られる用の衣装
②見る用の衣装

という2つの需要があることを把握した上で、「①見られる用の衣装を選んでいる」とした方が、より精度が上がる(デザインの方向性が定まる)なぁと思って、今日は、こんな話をさせていただきました。

「ももクロ」のライブTシャツなんかは、どちらかというと、「見る用の衣装(自分にスイッチを入れる為の戦闘服)」の需要を押さえていて、チームとして、ここの棲み分けをキチンとしておくことで、デザインが変わってくると思います。

プペル帽のデザインがあがれば、真っ先に、サロンで共有させていただきますね。
とっても、可愛いヤツを作っています😁

今年は、素敵なハロウィンになりますように。

現場からは以上でーす。

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

 

※この記事にコメントしたい方はFacebook連携が必要です。

ルール

内容はシェア・口外禁止です。

※ただし、投稿から1年が経過した記事はサロンメンバー特典として、
口外 ( コピペ ) OK!でも「右上にマル秘マーク」のあるものは
公開しないようにお願いします。

AI解説音声

Google NotebookLMで自動で生成された音声です。
サロン記事
×
いいね
×
  • くれじ
  • 杉本一基