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下準備をしっかりとする

2023.12.21 / 西野亮廣エンタメ研究所



おはようございます。
ドラクエのネーミングセンスに勝るライバルを探しているキングコング西野です。
#詳しくは今朝のVoicyで

→ https://r.voicy.jp/5P9aqA5l9eQ

さて。
今日は「下準備をしっかりとする」というテーマで、今朝のVoicyの続きや、昨日の記事の続きを話したいと思います。

「西野は、こうやって作品を作ってます(仕事と向き合っています)」というような話ですわ。
 
 

そんなのでよければいくらでも
 

今朝のVoicyでは「新作至上主義」のクリエイターやコアファンに警鐘を鳴らしました。
「新作がコモディティ化している時代に、新作に全体重を乗せるのはリスクが大きすぎるぞ!」といった感じの話です。

詳しくは放送をお聴きください→ https://r.voicy.jp/5P9aqA5l9eQ

その中で、「いつまで同じネタにしがんどんねん」という批判の声を取り上げたのですが、これは僕自身よく言われた言葉でもあります。

『えんとつ町のプペル』を映画化、ミュージカル化、歌舞伎化、バレエ化する時に、やっぱり言われちゃうんですね。

もはや今となってはアンチしか言っていないような気もしますが、当時は、同業者(プロ)からもそこそこ言われました。

「せっせと新作を作っている自分に対して、キンコン西野は数年前のネタをまだ使いまわして、ラクをしてやがる」みたいな気持ちがあったのかもしれません。

「へー、そういう人もいるんだな。僕は僕で頑張ろう」となれないところを見ると“羨ましさ”もあったのかもしれません。

ただ、ここはオンラインサロンなので黒西野全開で、言葉を選ばずに言わせていただくと、

「お前が作っているようなモノ(新作)で良ければ、毎日作れるよ。俺がどれだけ筆が速くて、俺がどれだけ長時間働いてると思ってんの?

ちなみに5年前までにお前が作った『新作』の中で、今、息をしている(今も尚、お客さんを楽しませ続けている)作品を一つ挙げてみろよ」

といったところです。
#こんなヤツに喧嘩売っちゃ絶対にダメ

僕自身、「新作を生み出したこと」に満足をしていた時代があって、そして、その程度の「新作」では何も始まらない(毎回リセットされる)絶望を見てきたので、この言葉パンチにはそこそこ体重が乗っています。

「お前(とお前のコアファン)は作ったつもりかもしれないけれど、世の中は『作ったこと』としてカウントしてねーんだよ。お前はこの5年、『何もしてないヤツ』としてカウントされちゃってんだよ」「子供を産んだのなら、そのあとは死に物狂いで育てろ!育児放棄をするな!」といったところです。

さて。

「作品(商品)の強度」は、どこから生まれてくるのでしょうか?
ここはキチンと言語化して、チームで共有した方がいいと思っています。

作品や商品の「強度」を生み出すポイントは以下の3つです。
#若手はメモっとけよ

①下準備
②作る
③届ける

これまで、たくさんのクリエイターさんを見てきましたが、ほとんどのクリエイターは②しかやっていなくて(②と向き合うことを「クリエイティブ」と呼んでいて)、世間的に『一流』と呼ばれている人は①と②を(丁寧に!)やって、③は外注しているイメージ。

①②③をやっている人は、日本でもアメリカでも、ほとんど存在しません。が、“届け続けないと”、そもそも次の世代の子達には知られないわけで、つまるところ、③をやらないことには、①も②も無かったことにされてしまう。

そんなこんなで、表の発信(ビジネス書やSNS)では③の話を重点的にやるのですが、ここ(サロン)では①の話をしたいと思います。

やっぱり「下準備」はメチャクチャ大事なので!
 
 

鬼の下準備
 

表に出ない部分なので、世間的には、まったく知られていませんが、現在制作中の『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』や、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』は、①下準備に平気で1年~2年かけているんです。

徹底的にリサーチをして、大量の資料を集めて、皆でその街の歴史や風土を理解して、キャラクターをトコトンまで掘り下げる。

手順で言うと…

A.大枠の設定を作る
B.鬼リサーチ(資料集め)
C.喧々諤々の議論(設定の掘り下げ)
D.脚本執筆

みたいな感じです。
多くのクリエイターさんはAとCをまとめてやっちゃって、とBとCにあまりコストを割かないのですが、Studio4℃さんも、トンコハウスさんも、ドワーフさんも、ブロードウェイチームも、とにかくBとCのボリュームが凄いっ!!

BとCを徹底的にやることで、「脚本執筆に幅ができる」というのは実際にあって、(前にもお話ししましたが)キャラクターをキチンと掘り下げておくと、「このキャラクターは、こういう局面では、絶対にこういうアクションをするよね」というルールが出来上がって、「キャラクターが勝手に喋り始める」という魔法が起きる。

なので、昨日の記事で共有したような「素材」が必要で、昨日は、あの記事を投稿した後にキャラクター一人一人を掘り下げる作業をしました。

作品の台詞に直接反映されるかどうかは分かりませんが、そのキャラクターがどんな物語(背景)を背負っているのか?という部分ですね。

『下準備』にこれだけ時間を割いている(下準備がそれだけ大切)ということを分かっていただく為に、今日は最後に、現在制作中の民放ドラマのキャラクターの設定資料の“一部”を共有させていただきます。

昨日、書きたてホヤホヤの設定資料です。
どうぞ↓

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武田ナナ(28歳)

【東京編】

「高学歴YouTuber」の草分け的存在として人気を博したが、コロナを境に、個人だけではなく企業や著名人が続々とYouTube業界に参入。

「高学歴YouTuber」の競合も増え、武田の『ナナナちゃんねる』(チャンネル登録者数70万人)の直近3ヶ月の再生回数は全て「1~3万回」止まり。
(※【教訓】「落としやすい城」は攻められやすい城だから、落とすな)

「好きなことで、生きていく」とは名ばかりで、実際のところは自分が「YouTubeのアルゴリズムの奴隷」になっていることぐらい、とっくに気がついていて…、以前は視界に入ってこなかった「企業に就職した(安定の道に進んだ)同級生達」が、最近は少し羨ましく見えてきている。

日々激化するYouTubeの椅子取りゲーム&自転車操業から抜け出す為に、武田は「自分のポジション(自分にしかできない情報発信)」を探していた。

そんなある日。

武田は会社員の友人から、飛騨高山(岐阜県)に遊びに行った時に乗った『Gattan Go!!(ガッタンゴー)』の話を聞く。

『Gattan Go!!』は“廃線になった線路の上を自転車で走るアクティビティー”で、開業から17年たった今もチケットがとれない人気っぷりだという。
(※敷かれたレールの上を走る会社員のメタファー)

この逆転の発想に感銘を受けたYouTuber武田は、少子高齢化が進む日本でこれから更に注目されることになる「まちおこし」に、「高学歴YouTuber」を掛け合わせること(オンリーワンのポジション)に目をつける。

思い立ったが吉日。
武田は持ち前のYouTuber魂を燃やし、「実際に移り住まないと面白くないし、どうせ飛び込むなら、一番ネタになる場所でしょ」と、(自分とは縁もゆかりもない)財政破綻で苦しむ北海道・夕張市の「地域おこし協力隊」に応募する。
もちろん、自分の「学歴」と「発信力」が田舎町で高く買われることも折り込み済み。

武田の夕張移住はトントン拍子で決まり、その(生々しい)様子をYouTubeで発信すると、YouTubeチャンネルの再生回数は右肩上がりに。
YouTuber武田の「読み」は見事に当たったのだった。

【夕張移住後の展開例】

・「YouTubeのネタとしての夕張移住」ということが、地元住民からの疑問を生んでしまう。
・入り口は確かに「YouTubeのネタ」だったが、夕張を知れば知るほど、夕張のことを本気でなんとかしたいと思う…が、住民との溝が埋まらない
・覚悟を見せる為にチャンネルを閉じようとする。(※覚悟の見せ方がYouTuber。地元民からはピンとこない)

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こんな感じで、せっせとやってます。
現場からは以上です。

【追伸①】
「 https://salon.jp/nishino 」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】
《大阪平野の夜景を一人占め》HIBARI GOLF(宝塚市)のVIPラウンジ『星の絨毯』(2024年9月オープン)の【年間3日×7年分】の貸し切り利用権をお求めの方はコチラまで。
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