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スタンプ戦略

2023.10.23 / 西野亮廣エンタメ研究所

おはようございます。
オーストラリア飯の一軒目は「ネパール料理屋」に行き、二軒目は「韓国料理屋」に行ったキングコング西野です。

さて。
今日は『スタンプ戦略』というテーマでお話ししたいと思います。
「プロセスエコノミー」のように名前を付けることで、自分達のやっていることが明らかになり、打ち手の整理整頓ができる…みたいなことってあるじゃないですか?
今日は、そんな話ですわ。
 
 

何故その感情になる(その行動に走る)のかが分からないモノ
 

原因が説明できない感情をとても信用しています。

たとえば、『スカイサイクル』や『ガッタンゴー@岐阜』は、敷かれたレールの上を自転車で走るだけなのに、普通の自転車(レールが無い自転車)よりも遥かに楽しい。何故だ?

レールが敷かれているがゆえに、“自分が望んでもいない危険な場所(高所など)に問答無用で進んでいかなくちゃいけないドキドキアドベンチャー”が『スカイサイクル』や『ガッタンゴー』の楽しさに寄与しているように思いますが……でも、たとえば、そういった「ヒヤヒヤするシーン」が一切無かったとしても(お庭にレールを敷いて、そのレールの上を走るだけでも)たぶん楽しい。

「ハンドリングできない」「次に進むべき道が常に決められて、常に見えている」…そのあたりが、『スカイサイクル』や『ガッタンゴー』を面白くしているような気もしますが、「何故、楽しいのか?」この問いに対する決定打はよく分かりません。

「屋根の上にのぼった時のドキドキ」もよく分からない。

原因が「高所→怖い→ドキドキする」であれば、「背の高いビルの屋上」の方がドキドキするわけで、もちろん「屋根の上」を魅力的なエンターテイメントにしている原因の一つに「高い」はあるとは思いますが、それだけでもなさそう。

たぶん、「いけないことをしている」とか「手すりが無い」とか「屋根瓦の底が抜けるかも」とか、そういった様々な要素が相まって、「屋根の上」はエンターテイメント空間になっているような気がします。

「これ」といった決定打はよく分かりませんが、確かなことは『スカイサイクル』も『ガッタンゴー』も『屋根の上』も「よく分からんけど、楽しい」ということ。

これは動かしようのない事実で、エンタメやサービスを開発する時には、この「原因が説明できない感情」を僕はとても信用しています。

そんな中、「こういう風に考えてみてはどうか?」というお話です。
 
 

ここまできたのだから商品
 

僕は今、オーストラリア(メルボルン)に来ているのですが、オーストラリアときたら「入国の自動化」が進んでいて、入国ゲートの手前にある券売機のようなマシーンを使って、ピピピッと【入国チケット】を手に入れてしまえば、そのチケットを改札に通すだけで、サクッと入国できちゃうんです。
#オーストラリアの入国は超スムーズ

歌舞伎役者ばりの「睨み」を効かす入国ゲートの門番の前に行って、職務質問されることも無い。
本当にサクッと。

ただ、そこに人がいないので、パスポートに「スタンプ」を押してもらえないんですね。

この時、僕は「あ、スタンプ押してもらえないんだ…」と思ったのですが、それと同時に、「これだけ海外を飛び回っておいて、まだスタンプを求めている自分」に気がつきました。

入国や出国の時に押してもらったスタンプを後日見返すことなんて、ただの一度も無いのに、どういうわけか入国や出国のタイミングで、いつもスタンプを貰いにいっています。
#43歳です

せっかく、「スタンプを押してもらえるチャンスなんだから、スタンプを押してもらおう」と。

一体、何のチャンスなのかはまるで分かりませんが、「43歳にもなってスタンプを欲している」というのが動かしようのない事実です。

僕らの中にある「ここまできたら、一応、これをやっとくか」は、僕らが思っているよりも強いエネルギーなのかもしれません。

ちなみに、僕は仕事で宮崎に行った時は宮崎空港で「マンゴージュース」を買っていますが、個人的にはマンゴーは好きでも何でもありません。

あれこそ「ここまできたのだから商品」だと思うのですが、宮崎空港にあるマンゴージュースのカテゴリーを『ジュース』ではなく『スタンプ』とすれば、いろいろ腹落ちして、自社商品の打ち出し方が今よりも見えてくるのではないでしょうか?
 
 

「飲み物」じゃなくて「スタンプ」だ
 

CHIMNEY TOWNまわりで言えば、それこそ『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』で、『HAKUA』というシャンパンと、『Candy Beer』というビールが販売されます。

どちらもメチャクチャ美味しいのですが(というか、そもそも世界的ブランドを買っているので美味しくて当たり前!)、ここで『飲み物』として販売する為に「美味しさ」を打ち出すよりも、『スタンプ』として打ち出していった方が結果的にたくさんの人に美味しいお酒が届くんじゃないの?…というのが今日の話です。

そう考えると、『HAKUA』や『Candy Beer』のブランディングは「ここまで来たんだから」という感情を生み出すことが大切です。

『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』や、スナック『CANDY』や、『天才万博』や、バンドザウルスのライブ会場…といった場所を背景にした商品画像をSNSに出回らせる。

そういう感じで『商品』と『背景』をセットにすると、『HAKUA』や『Candy Beer』が【スタンプ】として機能すると思います。

「旅先の景色を撮る」というのも、つまるところ【スタンプ】で、中には「一応、撮るには撮るけど、べつに後で見返したりすることもない」という人も多いハズ。
何故かよく分かりませんが、「来た証を残したい」という気持ちは僕らが思っているよりも強くて、『HAKUA』や『Candy Beer』は「スタンプ(来た証)」として打ち出すのがベターだと思いましたとさ。

現場からは以上です。

【追伸①】
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

【追伸②】
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すでに40本以上の注文が入っているシャンパン『HAKUA』

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