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世界観の一等地を取れ

2023.11.08 / 西野亮廣エンタメ研究所



おはようございます。
今週だけで講演会が5本入っていたキングコング西野こと「講演家」です。
#どうりで一人喋りに安定感があるわけだ
#場数

さて。
今日は『世界観の一等地を取れ』というテーマでお話をしたいと思います。

さっそく本題です。

 

作れる時代の落とし穴
 

昨日は「創造」についての話をさせていただきましたが、それは「共感で届けられる範囲には限界があるよね」「共感村から創造村に引っ越そうと思ったら、痛みが伴うよね」という話であって、「全員、創造せよ!」という話ではありません。

自分はエンタメ一丁目一番地に住んでいるので、よくよく知っているのですが、ここでは「才能」や「向き不向き」は確実に存在して、向いていない人が“周りの誰よりも”努力しても結果は出ません。

向いている人が“周りの誰よりも”努力しているからです。

これはAIの話になった時に毎回言っていることですが「どれだけ努力するか?」よりも、自分の適正を正しく見極めて「どこで努力するか?」の方が遥かに重要で、ここを見誤ってしまうと、もうどうにもならない。

さて。

生成AIによって「誰でもプロ顔負けのクリエイティブができる時代」になると、当然、(多くの)生成技術の価値は下がり、そうなってくると、ここでもやはり「どこで努力するか?(どこで作るか?)」という“場所選び”が重要になってきます。
#ここまでは既定路線

たとえば、長い時間をかけて、AIアートで「萌えキャラ(美少女&巨乳)」を一万体作ったところで、そんなことは誰でもできるわけですから、もちろん仕事にもならないし、当然、取って代わられてしまう。

いくら「作れる」からといって、その世界観に投資しちゃダメなんです。
かけた労力&時間が全て無駄になってしまうから。

それと結構似たような話なのですが、皆、やたら「自分の世界観」を作って、「この指とまれ」をやりたがります。

承認欲求は人間の基本スペックなので、昔から「こんな世界があったらいいな」という欲求は誰にでもあって、その欲求が“SNSやAIによって形にしやすい時代”になったから、「私の世界観を形にしたイベント」が、ここ最近で加速&増加したのかもしれません。

昔は“勝ち上がった人”にしかその切符が渡されなかったので、勝ち上がる力が必要だったけど、今は1歩目から「世界観オーナー」になることができる。

だけどコレも「作れてしまう時代の落とし穴」で、「上手い絵」は描くことができるのですが、「人が長い間(何年間も)集まり続ける世界観の創造」なんて、99.9999%の人間には不可能なんです。

生々しい話をすると、自分でイベントを立ち上げたところで3~4年で「もう集客しんどいっす!」「毎回赤字だから、ツラいっす!」とバテて、終わってしまう。
#経験あるでしょう ?

エンタメを観てきた量が少ない人には全く分からない(フラットに見ることができない)のかもしれせんが、それは「世界観の強度」が不足してるんです。

SNSで周りの友達に声をかけることはできるでしょう。
周りの友達も2回か3回は“お付き合いで”参加してくれるでしょう。

だけど、その「世界観」の実効再生産数が「1」を下回っているから、必ず失速してしまう。

そうすると、そこにかけた労力&時間が全て「ゼロ」になってしまう。

これ、まぁまぁ罪が重いなぁと思うのが、「かけてもらった労力&時間が(協力してくれた人の労力&時間)もゼロにしてしまう」ということ。

「この指とまれ」の罪は、まぁまぁ、あるなぁと思っています。

繰り返しますが、「自分で世界観を作っちゃおう」と思えてしまうのは、「観てきたエンタメ(エンタメ業界の諸行無常や盛者必衰)の量」の不足からきていると僕は見ています。

トップクリエイターさん達が「えんとつ町に自分達の才能を落とそう」としている中、素人が「自分達でゼロから作ろう!おー!」としているのを見ると、「そこで努力しちゃダメなんだよ(涙)」と思ってしまう。

ちなみに、ホームレス小谷は『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』で『スナックCANDY』を出店して、800円のビールを2000杯売ってました。( #完売 )

今は“例え”で「えんとつ町」を出しただけで、くれぐれも「えんとつ町にのっかれよ(あやかれよ)!オラ!」と言っているわけではありません。
#そう聞こえちゃいますよね

ただ、AIであらゆるものが生成できてしまう時代において、『自分には世界観を作る才能が無い』という現実を受け止めることができないのは、かなりのディスアドバンテージで、なかなかシビアな“出遅れ”を生んでしまう。
#警鐘を鳴らしています

巨人の肩に乗れるチャンスがあるなら(たとえば、たまたま同じ時代、同じ地域に巨人がいたなら)絶対に乗った方がいいのですが、「感情」や「プライド」が邪魔をして、それを辞退している場面をよく見かけるので、これは、なかなか根深い問題ですな。

解決策は、たくさんのエンタメを観て、たくさんのAIの仕事を観て、自分の非力さを知ること。
穴の空いた船に人を乗せる罪は確実にあるので、ここらへんは感情を抜いて、フラットに見た方がいいっす。

現場からは以上です。

【追伸①】
https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。

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