ブランドをブランドたらしめるもの

投稿日:2021.02.18 / 西野亮廣エンタメ研究所

※この記事の内容は外部に発信していただいて大丈夫です。


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おはようございます。

ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の脚本のト書きに、「曲に合わせて、ステージ上を踊るように飛び回る提灯」という一文を書いた迷惑脚本家のキングコング西野です。

#公演は11月14日から28日まで

#あと11月8日の夜のスケジュールは空けておいて

さて。

今日は『ブランドをブランドたらしめるもの』というテーマで、今朝のVoicyの延長戦のような話をしたいと思います。

【Voicy】

https://voicy.jp/channel/941/129976

もう、何度も聞いたような当たり前の結論に至りますが、そこに至るまでの動線をお楽しみください。

 

「薄利多売」からの脱却

エンターテイメントもサービス業です。

サービス業をやっていると厄介なのが、「たくさん売れると安心する」というハメ技にかかってしまい、少しでも気を抜くと多売競争に参加してしまいます。

しかしながら、

国内をマーケットにした場合、人口が減り続け、かつ、高齢化で消費活動が減り続けている我が国『日本』に「多売」の未来などありません。

そんな中、  

世界をマーケットにして「薄利多売」を成立させてしまう世界的企業が日本に押し寄せてきて「ウチは、この値段でやっとりますけど、おたくらはそれでよろしいの?」とオラオラ言ってくるものですから、日本をマーケットにした国内サービスは、「多売」ができない上に、「薄利」に参加せざるをえない状況にあり、瀕死状態。

すっごく乱暴に説明しましたが、これが今、日本がおかれている状況です。

この海外の猛攻を「いかに防ぎ、逆に、いかに、ねじ伏せていくか?」が僕ら世代の課題で、その答えの一つが『ブランド』です。

『ブランド』というのは「城壁」で、言ってしまえば、インターネットで世界と接続する前は、こんな小さな島国に派手に攻め込んでくる者がいなかったわけですから『ブランド』なんて作らなくても生きていけたんです。

自分で商売をされている方(とくにサロンメンバーさん)は、「いよいよブランドにならなきゃヤベーな」という焦りを持たれていると思うのですが、「ブランド化」が必要なかった時代を駆け抜けたウチの父ちゃんや母ちゃんに「付加価値としての『ストーリー』が非常に重要で……」という話をしても、「なんか、詐欺みたいな話をしてる?」と返ってきます(笑)

「市場価格500円のものを、どうすれば1000円で売れるだろう?」という『ブランド努力』を、『ボッタクリ努力』と捉えてしまうのが、西野テルオ&ヨシコの御両人(兵庫県川西市出身)。

もっとも、

ウチの父ちゃんは定年退職しているので、それでもイイのですが、現役世代で「ブランド化」という生存戦略が念頭にない人が日本には少なくなくありません。

これ、そこそこピンチだなぁと思ってます。

しかしまぁ、嘆いたところで始まらないので、ここでは「では、どうすればブランドになるのか?」という前向きな話をしたいと思います。

 

ブランドをブランドたらしめるモノ

昨日、(株)CHIMNEY TOWNの新入社員の「べえ君」が指揮をとって進めているプロジェクト『CHIMNEY COFFEE』を仕入れたい業者(個人)を応募フォーム(https://forms.gle/BURuu9HdPJoc27ww9)で募ったところ、なんと一晩で70件以上の申し出があったそうです。

ちなみに、単体での販売はコチラ↓

https://sfc.base.shop/

「御社のコーヒーを仕入れて販売したい!」という声が一晩で70件以上集まるのは異常事態で、僕らは、この流れが生まれた理由を掘り下げ、共有しておく必要があります。

▼ストーリー

一番に考えられるのは、べえ君が募集をかける前2日にわたってサロン内に投稿された『CHIMNEY COFFEE』のストーリーです。

コーヒー豆をどこから仕入れ、

それによって、どんな雇用が生まれ、

生産者がどんな想いで、このプロジェクトを進めているか?

そこを丁寧に語ったことが、今回の結果に大きく反映されたと思います。

逆に、「安いから仕入れよう!」と考えた人なんて、ほとんどいなかったと思います。

「安さ」を求めたら、『CHIMNEY COFFEE』には手を出さないハズなので。

ブランドをブランドたらしめるモノの一つには、こうした『理念(世界観)』『ストーリー』は必ずあって、ここをキチンと発信していくことが、とってもとっても大事だと思います。

▼納得感のあるデザイン

そして、『理念』の他に、もう一つ「ブランドをブランドたらしめるモノ」があって、それが『デザイン』です。

すっごい当たり前のことを、ゆっくりと堂々話していますが、ブランドになる為には『デザイン』が超大事っす。

いつだって『値段』を決めているのは「納得感」です。

同じ理念で集まった人同士が、他よりも高い値段で商品を売買するのは結構なことですが、その商品のデザインがダサかった場合、外野から見た時に「納得感」がありません。

以前、サロンメンバーさんが主宰してくださった講演会に参加させてもらったところ、会場の壁一面に僕の顔のポスターが貼られていて、宗教感が半端なかったんです(笑)。

#御本人もお伝えしましたので

#追撃は控えてください

ただ、主催者さんは、そのデザインが「イイ」と判断されたわけで、この時に、外野から見れば値段とのギャップが発生してしまう。

「納得感」が無いんですね。

ダサいデザインが世の中に出回ってしまう理由は以下の2つです。

①責任者がダサい

②責任者が「せっかくデザイナーさんにデザインしてもらったものを却下できないから…」という自己保身に走る。

こんな人間が責任者をやっている以上は、いつまでたってもブランドにはなれません。

#きびしいなオイ

僕、これだけ活動をしておきながら、キャラクターや何やらを生み出しておきながら、つい最近まで公式グッズを出していませんでした。

包み隠さずに言うと、「良いデザイナーさんがいなかったから」です。

「やりたい!」と言ってくれたデザイナーさんは4000人ぐらいいました。

「出せば売れるから、とりあえず出そう」では、行き着く先は薄利多売ゲーム。

ブランド化に大切なのは『理念』と、「高価格でも納得感がある『デザイン』」です。

#ここ大事

『えんとつ町のプペル』は、僕の知らないところで、いろんなクリエイターさんが、いろんなグッズを作り、販売しています。

それ自体はすごく良いことだと思っていて(だから著作権を曖昧にしている)、ただ、それではブランドにはなりえない。

なので『CHIMNEY TOWN』というブランドを立ち上げました。

『CHIMNEY TOWN』は西野亮廣がクオリティーチェックをして、「良し!」としたものしか出しません。

大量生産して、どうこうするつもりもありません。

今年の春に渋谷でオープンする『CHIMNEY COFFEE』では、サロンメンバーである「ちひろ菓子店」さんとコラボをして、「フィナンシェ」を出させていただくことになりました。

当然、パッケージデザインも超重要です。

#最後に写真を添付しておきました

たとえ売れようとも、外野から見て納得感のいかないものは出しちゃダメ。

これからの企業が最初にやらなきゃいけないのは「良いデザイナーをつかまえる」です。

そこにキチンとお金をかけないと、これまで守れていたものが守れなくなっちゃう。

事務の女の子にテキトーにデザインさせている場合じゃねーです。

「お金がないからデザインは自分でやろう」をやってると、出るお金は減りますが、入るお金はもっと減って、本当にお金がなくなります。

死にものぐるいで「良いデザイナー」を探してください。

ブランドをブランドたらしめるモノは、「理念」「ストーリー」「デザイン」……という、至極当たり前な結論ですが、「そんなことは分かっているよ」と思っていて、できていない人が多いのでは?というのが今日の結論です。

「僕の会社のストーリーテラーは誰か?」

「僕らの会社のデザイナーは誰か?」

この問題については、お互い、もっともっと真剣に向き合っていきましょー!

現場からは以上でーす。

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。


プペルフィナンシェの箱。かわいい。


サロンメンバーである『ちひろ菓子店』さんとのコラボ

袋には『CHIMNEY TOWN』のシールを貼る。


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