おはようございます。
「ホットカーペット」と「電気毛布」が別物だということを今朝知ったキングコング西野です。
#なんで誰も教えてくれなかったんだ
さて。
今日は『100万人が観たミュージカルの大阪公演のチケットが全公演完売』というテーマで、いろいろ考えてみたいと思います。
さっそく本題です。
「補助金問題(2000席問題)」を撃破!
いろいろとお騒がせしましたファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演の「補助金問題(※開幕10日前に2000席を売り始める事件)」は、今日のタイトルにありますとおり、無事、解決に向かっています。
残すは「8日(夜公演)」と「13日(夜公演)」の2公演のみで、どちらも「あと数席」という感じなので、本日中にも『全公演完売!』を打ち出せそう。
チケットぴあ→ https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2224382&rlsCd=002
#言うてる間に13日も完売になった
もともと、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が目指しているところは、「キャストさんの『集客力』に頼らない」(=集客力があるキャスト依存モデルからの脱却)なので、今回の大阪公演のように、まだまだ駆け出しの若手役者さんがたくさん参加されている公演で「全公演完売」と打ち出せるのは本望です。
ちゃんと、『えんとつ町のプペル』という作品にお客さんをつけて、キャストさんのキャスティング理由には「知名度」や「集客力」を絡めない。
そうすれば、ただしく「その時代の才能」を選ぶことができて、作品は“鮮度を保ったまま”生き残ることが可能です。
集客力があるからといって、口がモゴモゴ言っちゃって、台詞が聞き取れない役者さんをキャスティングし続けたり、
集客力があるからといって、歌や演技が苦手なアイドルをキャスティングしたりせず、
キチンと「才能(クオリティー)」で選ぶ。
それがファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の目指すところです。
動画時代に備える
2022年の年末にもなって、今を「動画の時代」と呼んでしまうのは、いささか抵抗(時代遅れ感)もあるのですが…とはいえ「動画の時代」ですので、「動画×劇場」の可能性についてもお話ししたいと思います。
今回の大阪公演の一つの実験として、「YouTubeで全編公開後にチケットが売れるか?」というのがありました。
しかし、まぁ、こちらに関しては、『えんとつ町のプペル』という作品はそもそも「絵本の無料公開」から始まっている作品ですので、そのことを知るサロンメンバーさんに、「YouTubeで全編公開後にチケットが売れるか?」と訊けば、100人中100人が「売れる!」と答えるでしょう。
「ていうか、逆に、中身が分からないミュージカルとか観に行く勇気無いんだけど!」とも。
この時代が来ることを10年前から予測し、「無料で見せたら売れなくなる!」という全日本人&全業界人をガン無視し、「すべてのエンターテイメントは確認作業になる」と号令をかけて動いていたキングコング西野さんに、まずは大きな拍手を送りたいと思います。
現在、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』(東京公演)はYouTube上で全編無料公開され、その再生回数はまもなく「100万回」。
ミュージカルを100万人に観てもらうのは至難の技で、たとえば今回の大阪公演の会場である「YES THEATER」で換算すると「約4000公演」をおこなわないと100万人には届きません。
大変な人数です。
このYouTubeでの全編無料公開は凄く意味がありました。
1つ目はシンプルに「たくさんの人に観てもらえた」ということ。
そして、2つ目は「クリエイティブのサポートになった」ということ。
稽古時間が無い中での「ゼロ→1(ひな型を作る)」作業というのは本当に本当に大変で、「キャストさんの演技をつけながら(ゼロから動きを創造しながら)、音楽と、衣装と、美術を作る」というデタラメな仕事量でした。
#ちなみに西野は稽古終わりに予算も作ってた
ただ、東京公演の皆で死に物狂いで作った(#本当に戦場でした)『ひな型』は、キチンと大阪公演に引き継がれ、大阪公演のメンバーは、演出家だけでなく、すべてのクリエイターが東京公演の『ひな型』を更にアップデートされる方向で作業を進めることができました。
後輩達にはよく「僕がした苦労(車輪の再発明)はするな!お前がすべき苦労を正しく選べ!」と口酸っぱく言っています。
そうしないとプロジェクトが大きく強くなっていかないからです。
#いちいちゼロに立ち返っている場合じゃない
そういう意味でも、東京公演を『ひな型』として大阪チームに渡せたのは本当に大きくて、チームの全員がサクッと動画で確認できる環境は大きかったです。
そして、3つ目。
YouTubeの全編無料公開では、これが一番大きかったと思うのですが、「劇場に来られたお客さんが、すでに作品の楽しみ方(盛り上がり方)を知っていた」ということ。
拍手のタイミングや、「そろそろ来るぞ~」を、お客さんが全員知っている(スタンバイできている)ので、お客さん発のアクションに躊躇いがないんです。
「…ここ、拍手するところかなぁ~?」みたいな躊躇いが。
ミュージカルというよりも、どちらかというと「歌舞伎」っぽい雰囲気です。
「よっ!成田屋っ!!」的なアレ。
動画時代はミュージカルの価値を見直す必要があり、「こんな内容だったんだ!」という【発見】から、「あの内容を生で観れた!」という【確認】に価値を移動させる必要がある。
そう考えると、作品の中には生でしか味わえない「風」や「匂い」や「温度」や「首の動き」などを、もっともっと織り込んでおく必要があり、『劇場から作る』という結論になるのだと思います。
このあたりは、照明さんや美術さんと「ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』は、どこに照明機材を置けたら、もっと魅力的な舞台になるのか?」という話し合いをする必要がありそうです。
ストーリーの「サプライズ」を徹底的に排除して、動画を200万回、300万回、1000万回…と回し続けて、「いつか生で観てみたい」を加速させる。
このあたりを、もっともっとエグく詰めていく作業が必要だと感じた「YouTube公開からの大阪公演全公演完売」でした。
このへん(動画時代に備えて劇場から作る話)は、明らかにNFTを絡められるポイントでもあるので、もうチョイまとめて、また記事にしますね!
とにもかくにも、大阪公演がまもなく全公演完売です。
#本当にありがとうございました
現場からは以上です。
【追伸】
「 https://salon.jp/nishino 」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
https://youtu.be/NYPy4vh3_dQ
\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/q7b4Mlz