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雪国のエンターテイメント

2020.09.09 / 西野亮廣エンタメ研究所

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おはようございます。

今朝、姫路城をジョギングしていたら、ゴミ拾いのボランティア中のサロンメンバーさんにバッタリと出くわしたので、ゴミを一個だけ拾って(=ゴミが見当たらなかったので、ゴミ袋から取り出したゴミを拾って)、ゴミ拾いのボランティアでイイ汗をかいた感じで集合写真に載ったキングコング西野です。

#今日はゴミ拾いのボランティアをしたよ

#その事実さえ作れたらいいよ

#拾ったゴミの数は関係ないよ

さて。

今日は『雪国のエンターテイメント』というテーマでお話ししたいと思います。

本題に入る前に、まずは、昨日の記事(寄付のサブスク)を整理したいと思います。

 

寄付のサブスク誕生の瞬間

今朝のVoicyで「アイデアはどこから生まれるのか?」という話をさせていただきました。

https://voicy.jp/channel/941/97024

Voicyで喋った10分間の話をキュッとまとめると、「アイデアは突然発生するものではなく、『実験結果の掛け合わせ』だから、日頃から実験をしていない人には、そもそも良いアイデアは思いつかないよね」です。

#キュッとまとめれるんかい

#だったら10分も使うな

昨日の「寄付のサブスク」が、どのような手順を踏んで生まれたかというと…

①『えんとつ町のプぺル』がヒットしたので、「絵本」だけでなく、「贈り物」としての価値も出てきた。

②株式会社NISHINOの売り上げで『えんとつ町のプぺル』を買って、被災地やスラム街に届けてみた。やっぱり喜ばれる。

③「もしかしたら、『私も子供達に絵本を贈りたい』と思っている人がいるのでは?」と西野が思い始める。

④実験として、「フィリピンの子供達3000人に『えんとつ町のプぺル』を届けたい!」というクラウドファンディングを立ち上げてみる。

リターン(返礼品)は『2000円=一人の子供に絵本を贈れる権』

⑤このクラウドファンディングで一気に3000冊の支援が集まる。

【発見】→「絵本」として売ったら、一人1冊しか買わないが、「贈り物」として売ったら、一人で10冊買う人もいる。

⑥「ギフト、あるな」と西野が思い始める。

⑦「ちなみに映画の【前売り券】はギフトにできるのか?」という実験を始める(※クラウドファンディング)。

https://cf.fany.lol/projects/1921

⑧とんでもない額の支援が集まる。

⑨「なるほど。映画もギフト化できる」と西野のメモが走る。

⑩実験として、『チップ書店』を始めてみる。

https://1117.base.shop/

⑪『チップ書店』の中でも、「購入した絵本を熊本の子供達に贈る」タイプのイレギュラーな『チップ書店』が人気を博す。

(※3日で1800冊が売れた)

https://tamumama.thebase.in/

⑫西野が「ギフ、ギフ、ギフギフト、ギフギフト…」と唱え始める。

#頭の中はギフトだらけ

⑬そんな矢先、サロンメンバーさんと呑んでる時に「僕も絵本を贈りたいのですが、都度都度振り込むのが大変で…」と相談を受ける。

⑭「そうだ!寄付のサブスクだ!」

……という流れです。

ポイントは、何度かの実験で「絵本×ギフトは(可能性が)あるぞ」と、ずっと思っていた点です。

そこに、サロンメンバーさんからの最後の一押し(⑬)があった。

いきなり⑭が降ってきたわけではないんですね。

「思いついた」というよりも、「繋がった」の方が表現としては正しい気がします。

寄付のサブスクなんて、とっくの昔に「ユニセフ(ユニセフマンスリーサポート)」がやっていたので、結果だけを見れば、「ユニセフの絵本版でしょ?」というところなのですが、「月額で寄付を募って子供達を応援する」というのと、「月額で寄付を募って、自社製品で子供達を応援する」というのは大きな違いで、後者は、「ユニセフ」の角度からは思いつかないです。

「自費で絵本配り」という地点からスタートして、あれやこれやと実験を繰り返したから、この形の「寄付のサブスク」に辿り着いたわけです。

#キンコン西野がサブスクモデルで活動しているのも大きく影響していると思います

昨日の記事を投稿した直後からエンジニアさんに動いてもらっていて、「えんとつ町のプぺル『こどもギフト』」は数日内に立ち上がります。

お楽しみに。

 

雪国のエンターテイメント

大切なのは「絵本×ギフトは可能性あるなぁ」「○○は可能性あるかもなぁ」と目星をつけて、頭の中に置いておくことで、それでいうと、一昨年から僕がずっと目をつけているのは「スマホが使えない空間」です。

国民全員がカメラを持ち歩き、すっかり監視社会になりました。

少しでもハメを外そうものなら、写真に撮られ、動画に撮られ、SNSにアップされてしまいます。

これに対する息苦しさは全員が感じているところなので、こうなると、チャンスしかありません。

そこで去年、スナック『CANDY』でスマホを禁止してみました。

入り口でスマホを没収されてしまうのです。

こうなると、コミュニケーションをとるしかエンタメがなくなるので、お客さん同士の会話の量が一気に弾みます

何より、誰も「撮る人」がいないので、外では話せないようなことまで話せます。

「スマホが手元にない」というのは、どうやらものすごく不安みたいで、おかげで『吊り橋効果』のような力が働き、スマホ禁止のCANDYで呑んだお客さん同士は一晩で一気に仲良くなります。

https://salon.jp/candy

『スマホ禁止』『俗世間との隔離』『協力しないと乗り切れない空間』はイイ匂いしかしていなくて、「これは、いつでも転用できるなぁ」と思っていました。

そんな中、先日、富良野在住のサロンメンバーさんから「富良野を盛り上げたいのですが、どうすれば?」という大胆すぎる御相談を頂戴しました。

ポイントはココです。

「富良野を盛り上げるには何をしたらいいんだろう?」とゼロから考えるのではなく、前々から目星をつけていた『スマホ禁止』『俗世間との隔離』『協力しないと乗り切れない空間』に『富良野』を掛け合わせてみます。

僕の出した答えは、こちら。

・富良野の「だだっ広い土地」の真ん中に、ログハウス群(キャンプ場?)を作る。

・スマホ(パソコン)は入り口で没収。

・部屋にはテレビもない。あるのは黒電話一本(緊急時のブザー)。

この状況だと、圧倒的に不安だと思います。

何か困ったことがあれば、自分一人の力では解決できないので、他のお客さんに相談するしかありません。

困っている人を助けないと、自分が困った時に助けてもらえないので、たぶん、皆、ギバー(与える人)になると思います。

んでもって、不安スタートなので、たぶん、ものすごーく仲良くなっちゃう。

ありがたいのは『雪』です。

半径500メートルが雪景色(木も何もない平野)なので、隠し撮りされようがない。

文春の記者が近づいてきたら、「あ。向こうから文春の記者が歩いてくる」と見つけられる。

雪が俗世間との壁になってくれるわけですね。

…まぁ、富良野での「スマホ没収村」プロジェクトがどこまで実現するかは分かりませんが、一つ確かなことは、『スマホ禁止』『俗世間との隔離』『協力しないと乗り切れない空間』は、つまるところ「コミュニケーションを加速させる装置」だから、ここの可能性(需要)は絶対にあると思います。

コミュニケーションを商品にしていかなきゃいけない時代になるので、「ゼロ監視」「不便のデザイン」は要チェックです。

現場からは以上でーす。

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

https://youtu.be/T8XxWWonxQw

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