ニューヨークで連日遊び呆けてる西野です。
一日の終わりには一応、パソコンに向かっていて、日記を書くように次回作のビジネス書の執筆をしています。
一冊の本として出す時は、ゴッソリと削っているかもしれませんが、オンラインサロン特典として、原稿の一部を公開。
以前、お客さんから聞いたスタンリー・キューブリックの話を元に書きました。
『スタンリー・キューブリックは未来が見えていた?』
前作『革命のファンファーレ 〜現代のお金の広告〜』には、絵本『えんとつ町のプペル』の無料公開を批判した人達に対して、「無料化の波は、もう避けられないので、今のうちに別の場所でマネタイズできる準備をしておかないと、まもなくやって来る無料化の波に飲まれて死んじゃうよ」と書いた。
それから約半年後に漫画界に無料海賊版サイトの「漫画村」という大波が押し寄せてきて、無料化を批判していた多くの漫画家さんが飲み込まれちゃった。
あまりの予言的中っぷりに、「漫画村」の仕掛け人がボクだと疑われたほど。
ただ、これに関しては「予言」でも「予測」でもなくて、「アレとアレが無料になったので、当然、次はコレが無料になるよね」という、「知っているか・知らないか」の話。
たとえばキミが、他の人よりも少しだけ早く「自動改札機」というものが世の中に出ることを知っていたら、駅の改札で切符を早く切る技術を競っている駅員さんに対して「そろそろ、それ、辞めた方がいいですよ」と思うよね?
その感じ。
ボクは知っていることを本に書いただけ。
ちなみに、この本の1章と2章に書いたのも「知っていること」で、事実だ。
その事実を受けて、「どう立ち振る舞うか?」を書いたのが、1章と2章。
ただ、最後の3章はそうじゃない。
映画監督スタンリー・キューブリックが1968年に発表した『2001年宇宙の旅』には、50年後の現在に使われているものが普通に映っている。
読みたい記事のタイトルに触れると画面が拡大され、細かいディテールを知ることができる「タブレット」のようなものまである。スマホだよね。
これに対して、「キューブリックは予言者だ」と言う人もいるし、「キューブリックは当時の最新テクノロジーを徹底的に勉強したから、未来予測の精度が極限まで上がっていた」と言う人もいる。
いろんな見解があるけど、ボク個人的には、こんなことを思う。
《キューブリックが描いた未来に心を奪われた子供達が、「キューブリックが描いた未来」を未来で実現した》
『2001年宇宙の旅』を観て開発者になる道を選んだ人間の脳みそには、「キューブリックが描いた未来」の映像が入っている。
その脳みそから絞り出されたアイデアは、「キューブリックが描いた未来」からインスパイアを受けていると考える方が自然だよね。
または、もっと単純に、「『2001年宇宙の旅』に出ていたタブレットを作りた〜い」と考えた開発者もいたかもしれない。
つまり「心を奪うほどの魅力的な未来は現実化する」という話。
時代の波に抗わず、しなやかに対応して生きていくのも一つ。
でも、せっかくなら、今この瞬間にボクたちで魅力的な未来を描いて、その方向に時代が進むところも、ほんの少し見てみたい。
友達やオンラインサロンの皆と、よくそんな話をしている。
最後にお話しするのは、ボクたちが描いている未来の話。
現実化が待てずに、実は途中まで進めているんだ。