おはようございます。
暖かくてイイ感じの上着を10年以上探し続けているキングコング西野です。
#まだ見つかっていないので今日も春の装いです
さて。
今日は『クラウドファンディングにはビジネスの全てが詰まっている』というテーマでお話ししたいと思います。
※10年前(2013年)の講演会で話した内容をベースに書きます。
「お金を作る」ということ
以前、期間限定で1年間だけ高校生のクラスを受け持ったことがあるのですが(月1授業)、僕から学生達に出した夏休みの宿題は「企画は何でもいいから、一人一つのクラウドファンディングを企画すること」でした。
そして、夏休みの明け(9月)の授業は「クラウドファンディングの振り返り」です。
夏休みの宿題を通じて、生徒達には、『働いて給料を貰う』と『お金を作る』の違いを知っていただきました。
実はコレ、大人になっても分からない人がほとんど。
多くの会社員は「働けばお金が貰える」と思っていますが、そこで入ってくるお金は「(多くの場合)社長が作ったお金」で、会社員がどれだけ働こうが、社長がお金を作らないかぎり、お金は貰えません。
これが、「社長の仕事は『人・モノ(道具や環境)・金』を引っ張ってくること」と言われている所以です。
プロジェクトごとに集合と解散を繰り返すエンタメの現場だと、「プロデューサー」がここ(社長役)を担います。
僕らは「働いて給料を貰う」ということは学生時代(アルバイト時代)から経験しているので、よくよく知っていますが、「お金を作る」ということに関しては知らない大人がほとんど。
「お金の作り方」の知識を入れておかないかぎり、基本的には(会社の)お金を溶かし続け、会社にとっては「迷惑なスタッフ」になってしまうので、どのポジションを目指すにしても、「お金の作り方」は身体に叩き込んでおいた方が良いと思って、学生達にはクラウドファンディングをさせました。
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#ウチの社員に読ませたい
クラウドファンディングにはビジネスの全てが詰まっている
CHIMNEYTOWNのグッズ担当のトクさんが企画したクラウドファンディングが本日スタートしました。
化粧水(と保湿フェイスクリーム)『COMET&WHINNY』の「広告宣伝費」を集めつつ、予約販売することを目的としたクラウドファンディングです。
「グッズ担当の人間なんだから、グッズ開発に集中させてやれよ」という考えは分かりますが、僕個人的には、一度勉強と思ってやるのはイイと思っています。
というのも、クラウドファンディングにはビジネスの全てが詰まっているからです。
「ビジネスの全て」とは何か?
これから順に説明します……
① 売り手の信用の獲得
皆が知らない商品(あるいは競合と同じような商品)を買っていただく為には「売り手の信用」が必要です。
クラウドファンディングの場合だと、「応援してもらう下地」が必要です。
突然、よく知らない商品を持ってこられて「買ってください!」と言われても買いませんし、突然、よく知らない人がやってきて、
「僕に支援してください!」と言われても支援しません。もはや恐怖です。
千年前から言っていますが、クラウドファンディングは「金のなる木」ではなくて、「信用をお金に両替する両替機」なので、とにもかくにも、クラウドファンディングを始める前に「信用を獲得しておくこと(応援してもらう下地を作っておくこと)」が大事です。
たくさんのプレイヤーを見てきましたが、まず、この第一段階で50%ぐらいの人間が脱落します。
② 自分に許されたプレゼン時間を知る
人には「その人に許されている持ち時間」がそれぞれ存在します。
まだ何者でもない人にはあまり時間が与えられませんし、すでに多くの支持を集めている(世間の信用を獲得している)人には、多くの時間が与えられています。
こんな当たり前のことが分からない社会人が結構多くて、その結果、まだ何者でもないのに「巻物」(生い立ちから始まる地獄的長文)を炸裂する事故が多発しています。
これだと、どれだけ素晴らしい商品を扱っていても、売れません。
売り手には「その売り手に許された時間」があります。
クラウドファンディングはそのことを教えてくれます。
③ 利益を作ること
「年商100億円だけど赤字」ということがあるように、どれだけ売上を出していても、原価が高かったり、人を雇いすぎてしまうと、トントンどころかマイナスになることがザラにあります。
「働いてお金を貰っている人」の中には、「売上」と「利益」を考えない人がいたりします。
そんな人(利益率を考えない人)がクラウドファンディングをすると、「支援は500万円集まったけど、実際に使えるお金は2万円」みたいな地獄を展開することもあって…そこのバカっぷり(己の無計画っぷり)を知る為には、クラウドファンディングはもってこいです。
とくに会社員は「自分にかかっている人件費」を忘れがちです。
1日働いて、8000円の売上を作って「やったー!」という会社員はザラにいますが、あなたにかかっている人件費を考えたら、売上が8000円なら働かない方が会社にとってはプラスです。
④ 商品を並べる技術
商品は「並べ方」や「並べる数」によって、売れ行きが大きく変わってきます。
トクさんから「クラウドファンディングのページを作ったので見てください!」と『COMET&WHINNY』の企画ページが送られてきた時に最初にお伝えしたのは、「リターンが多すぎっす」でした。
選択肢が多くなると選択肢の中から1つを選択する事をあきらめてしまう(=何も買わない)事はすでに証明されています。
#ジャム理論
リターンをたくさん用意しておくことは良いことですが、「商品棚に並べる適切な数」は確実にあるので、「一つの商品が売り切れたら、次の商品を棚に並べる」が良いでしょう。
⑤ 丁寧な告知と御礼
商品は「販売を開始したら終わり」ではありません。
買い続けてもらわないと活動が止まってしまうわけですから、告知を続けることが大切です。
最終的には「告知をしなくても売れ続ける仕組み」が作れると良いのですが(※見上げる家がソレ)、そこはまだまだ難易度が高いので、まずは、告知を続けることが大切です。
当然、「聞きたくなるような(読みたくなるような)告知」を。
そして、商品を買ってくれたお客さんは、次の商品の見込み客になるので、そこを繋いでおくためにも、購入者(支援者)さんへの丁寧な御礼はすっごくすっごく大事です。
#西野はココがメチャクチャ丁寧
購入者さんへの御礼をテキトーにして、信用と、未来の売上を落としている人は少なくありません。
まとめ
クラウドファンディングを成功させる為には、最低でも今回お話した①②③④⑤は押さえておかねばなりません。
そして、これはビジネスの基本です。
会社の研修で「社員にクラウドファンディングをさせる」は、経営者の思考を持たせる上でも、結構イイと思います。
一度、試してみてください。
現場からは以上です。
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
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トクさんが企画したクラウドファンディング
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