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「雨を逆手にとったデザインとは何か?」

2019.04.30 / 西野亮廣エンタメ研究所

おはようございます。

美術館建設費に加えて、さらに数十億円の制作費(借金)を抱えてやろうと思って、スタッフから嫌われているキングコング西野です。

優しく抱いてください。

さて。

現在開催中の個展『チックタック ~光る絵本と光る満願寺~』の二日目は雨が降りました。

個人的には雨の日をずっと狙っていて、僕が会場に足を運べる日に雨が降ることが分かった時は、盛大なガッツポーズを決めました。

というのも、今後、『えんとつ町のプペル美術館』や『チックタックの時計台』などの施設を作るにあたって、「雨の日はお客さんの満足度が下がる」というものを作ってしまうと、それこそ梅雨のシーズンなんて全然面白くないので、「雨が降った!ラッキー!」となるような空間を作る必要があると常々考えていました。

「雨を逆手にとったデザインとは何か?」というテーマですね。

数ヵ月前、今回の会場となった『満願寺』の視察に行った時に、「これは使える!」と目がいったのは、山門をくぐった後に続く長い長い「敷石」でした。

そこは木のトンネルになっていて、木に光をあてて、敷石を水で濡らしてしまえば、敷石は鏡(水鏡)となり、地面で光が反射します。

つまり、『チックタック 光る絵本と光る満願寺展』は、雨の日の方が光の量が多いんです。

(※比較画像を下に添付しておきました)

本当は晴れの日であろうと敷石に水を撒いてやろうかと思いましたが、雨の日だけの特典にした方が面白そうなので、やめました。

 

『雨』をコントロールせよ


『えんとつ町のプペル美術館』や『チックタックの時計台』を作る際には、天然の水鏡ではなく、水鏡が発生する場所をキチンと設計して、水たまりが発生する凹みを絵を描くようにミリ単位で配置して、「雨が降らないと浮かび上がらない景色」を作った方がいいと思います。

「今日は雨だし、プペル美術館に行こう!」となるような。

『チックタックの時計台』なんかは、雨の日にしか機動しない水車(歯車)があるといいと思います。

泣いても笑っても雨は降るので、とにかく考えるべきは、雨がプラス働くデザインですね。

『チックタック 光る絵本と光る満願寺展』は、雨がプラスに働いています。

スタッフさんは大変だけどww

(※スタッフの皆様、いつも本当にありがとうございます)

雨の日にテンションが下がってしまうのを、人類はもう何百年も続けているので、そろそろ終わらせます。

現場からは以上でーす。

 


晴れの日の木のトンネル

 


雨の日の木のトンネル。こっちの方が光が多い。

 


晴れの日の入場ゲート。

 


雨の日の入場ゲート。閉館後に撮ったので看板の電気は消えているけど、地面に光が反射しているので、こっちの方が光が多い。

水ハケを徹底的に計算して、もう少し水の層が残るようにするといいと思う。

 

水溜まりで反射する提灯の光。

 


街中の風景。
風をモロに受けてしまうような場所に水溜まりを作っても、あまり「水鏡」としては機能しないので、水溜まりを設計する際は、風も計算しなくちゃ
いけない。

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  • 島津達哉