本当におはようございます。
なんとしてでも朝に更新したことにしたいキングコング西野です。
さて。
日曜日の今日は、仕事のゴリゴリ話をお休みして(とは言っても仕事の話になりますが)、今、ボンヤリと思っていることをお話ししたいと思います。
ファンタジーを作って生きる
絵本を映画化する時に、「プペルって何だっけ?」(プペルの定義)を考える時間がありました。
そこで「プペルは『ビジュアル』じゃなくて『理念』だ!」と結論したのですが、それはつまり、「映画」や「歌舞伎」や「コンバースさんとのコラボスニーカー」といった“別の場所”にお邪魔する時に、「ビジュアルのコピペ」を徹底的に排除して、プペルの姿形をなぞるのではなく、「その場所ならではのプペル」を都度都度探していく…ということ。
歌舞伎のプペルは「着物」を着ちゃっていますし、現在開発中のNFTのプペル(10月31日発売)は、もはや姿形すら無くて「柄」です(笑)。
パッチワーク柄にモンスターの目玉が入っているものを「プペル」と言い張るつもりです。
皆さんからしてみれば、プペルの「非コピペ」は、お馴染みの光景かもしれませんが、これは全然当たり前じゃなくて、ファンタジー作品が二次展開される時は基本「原作に忠実に!」をモットーに、「ビジュアルのコピペ」がおこなわれています。
「実写版」ともなると、「ビジュアルのコピペ」に違和感を覚えながら手を進めているクリエイターも中にはいらっしゃるかもしれません。
「この髪型(色)はデフォルメした漫画だから良いのであって、実際にやっちゃうと…」という。
「ビジュアルのコピペ」になってしまう理由はいくつかあるのですが、そのうちの一つ(大きな大きな理由)に、「原作者が立ち会わないと変更できない」があります。
舞台演出家が「舞台版のルフィーの髪型はコレ!」と決めても、尾田栄一郎さんがその改変を「良し」とするかどうか?という問題がある。
舞台用に改変するならば、尾田栄一郎さんに舞台制作の現場に来ていただくしかないのですが、尾田栄一郎さんは連載に追われています。
なので、「原作に忠実に」という落とし所になる。
いろんなやり方があって良いと思うのですが、『えんとつ町のプペル』では、それはやりたくなくて、「歌舞伎化」「映画化」「グッズ化」する際には、鉛筆とスケッチブックを持って必ず立ち会うようにしています。
その場で鉛筆を走らせて「こんな感じ!」と出せるように。
決して簡単な仕事ではありません。
僕は僕で次回作の制作を進めているからです。
今、僕はミュージカル『えんとつ町のプペル』のリーディング公演でニューヨークにいます。
公演後におこなわれるレセプションが本当に本当に本当に大切で、ここでチームの皆とコミュニケーションをとることが、ブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』の答えに繋がります。
日本から台本(設計図)を送って、「あとはヨロシク!」で出来上がるものではなく、スタッフのモチベーションを上げて、何千回もデイスカッションを繰り返して、ゴールを明確にして、チームを一つにすることがとてもとても大切です。
一方で『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本を仕上げなきゃいけない。
ミュージカルチームの皆と会う時間以外はホテルに籠って、四六時中頭を抱えています。
よく「なんで、お金に興味がないの?」と言われるのですが、答えはシンプルで「使う時間が無いから」です。
カラオケに行くことも、海に行くこともありません。
ホテル(アトリエ)に籠って脚本を書いて、仕事場に行って制作に立ち会って、またホテルに戻ってきて脚本を書いていたら翌朝になっていて、2〜3時間仮眠して、また脚本を書いて…という生活です。
どれだけ成功しても安心できる日が来ないこと(また新しい不安が襲ってくること)を知りながら、「ありもしないモノを作って、世間のニーズにする」というデタラメな作業を今日も明日も明後日も。
なかなかハードモードに突入してしまっている人生ですが、ただ、良い作品ができた瞬間、それを仲間やお客さんと分かち合えた、その僅かな瞬間に、それまでに流した全ての血と汗を涙が帳消しにします。ほんの一瞬だけど。
これからも、その一瞬を求めて走ります。
皆さん、今週一週間お疲れ様でした。
明日からも、また頑張ろう。
キングコング西野亮廣
【追伸】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
https://www.youtube.com/watch?v=C0bgXqBJrvE