おはようございます。
まだ幕張メッセのダンス練習をしていないキングコング西野です。
#大丈夫なのか
さて。
今日は「アイツが夢見た町」というテーマでお話したいと思います。
さっそく本題です。
町を作る
ついさっきまで(スタッフさんは更に遅くまで)『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』の設営&リハーサルがありました。
#久しぶりに二徹です
#寝てないアピール
幕張メッセ9・10・11ホールの中央にある巨大提灯の周りでは、数百名のスタッフさん達が急ピッチで設営を進めてくださっていて、ほんの少しの間、演出のイジツさんと美術の佐藤さんと僕の三人で、その様子をボケーっと眺めている時間がありました。
そういえば、舞台『テイラーバートン』の時も、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の時も、この三人で(自分達が作っている空間を)眺める時間があったな。
僕は、「もうすぐ、ここはお客さんでいっぱいになるんだなぁ。どんな景色だろうなぁ」と思ったり、「次は何をしようかなぁ」と考えたり。
きっと、お二人も同じようなことを考えていたと思います。
向こうの方では、只石さんがデザインしたバンドザウルスのフザけた屋台が見えて、その近くでは、チームカジサックが何やら撮影をしていて。
屋台チームも、ずいぶん遅くまで設営か仕込みをしていました。
もう何年も前の話。
ある日突然、西野が「町を作る」と言い出したんです。
その町の「世界観」や「理念」に人が集まるような…そんな町を。
多くの人は「気でも狂ったのか」と鼻で笑いました。
「芸人が何しとんねん」「町なんて作れるわけないだろう」「そもそも町は個人が作るもんじゃないだろう」と。
まぁ、散々。
#いつものことだけど
だけど、僕の近くにいた数名はその言葉を信じてくれて(面白がってくれて?)、「町づくり」に力を貸してくれました。
最初は「おとぎ町」という名前から始めたっけ。
山奥の土地を借りて、あれやこれやと試してみましたが、『おとぎ町』は、あまり上手くいきませんでした。
「山の中に作る町は開発の自由が効くけど、結局、立地の悪い場所は行かなくなる」という、「そんなのは、やる前から分かっていただろう」というような情けないデータだけが取れて、終わり。
失敗でした。
その一方で、『おとぎ町』の冠がついた『おとぎ町ビエンナーレ』という個展では、大きな収穫がありました。
「プロセスを販売する」が初めて形になった(「皆、作りたがっている」と確信した)のが、この個展です。
でも、だからといって「町作りが進んだか?」と聞かれたら、そんなことはなくて、相変わらず僕は「芸人が何しとんねん」「町なんて作れるわけないだろう」「そもそも作るもんじゃないだろう」の中にいました。
風向きが少し変わったのは絵本『えんとつ町のプペル』が出た後。
「こんな町が好き!」「こんな町を作りたい!」をビジュアルで見せたところ、数年前に比べれば面白がってくれる人が少し増えました。
ただ、それも「風向きが少し変わったかも」ぐらいで、一発逆転のそれではありません。
なので、興味を持ってくれた人、興味を持ってくれそうな人、一人一人に会いに行って、「僕が作りたい町はね…」という話をたくさんして、理解されたり、誤解されたり、怪しまれたり…そんな時間を何ヵ月も何年も過ごしました。
そしてやってきた幕張メッセ。
昨日の会場設営で目の前に広がっていたのは、あの日(ほぼ誰からも相手にされなかった日)に見た『えんとつ町』でした。
そこにはエンターテイメントがあって、お店があって…そして今日この町には1万人を超える人が集まって、呑んだり食ったり歌ったり踊ったり笑ったり、父ちゃんが息子の手を引いたり、娘が母ちゃんの手を引いたりするのでしょう。
あの日見た『えんとつ町』が今、僕の目の前にあって……夢に向かって前に進んでいたことを実感しました。
進みが遅すぎて分からなかった。
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御存知の方もいらっしゃると思いますが、僕は大切なスタッフを事故で亡くしています。
『おとぎ町ビエンナーレ』のボランティアリーダーに手を挙げてくれた女の子です。
彼女とは個展の準備を進めながら、その時に作っていた絵本の話をよくしました。
彼女は、その物語や、その世界観を、ずいぶん気に入ってくれて、「いつ完成するんすか? いつっすか?」と、いつも僕を急かしてきました。
そして僕は決まって「もうチョットしたら完成するから待ってて」と。
その作品が完成する前に彼女は事故に遭い、結局、僕は彼女に作品を届けることができませんでした。
彼女の言うことを聞いて、もう少し急げば良かったと今も後悔しています。
そんな彼女が好いてくれた作品が、彼女に届けきれなかった作品が『えんとつ町のプペル』です。
まだまだ世間からハジかれていた頃の僕の個展のボランティアリーダーに立候補するほど、僕のことを信じてくれて、『えんとつ町のプペル』を待ってくれていて、「えんとつ町が作れたら最高っすねー」と声をかけてくれました。
『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』の会場を眺めながら、そんなことを思い出しました。
「お前が信じてくれたものは、(時間がかかったけど)たくさんの仲間の手によって、ちゃんと形になってるよ」という報告を心の中でしました。
心の中でとどめて、手を合わせなかった理由は、オバケになって出てこられたら気味悪くて、たまったもんじゃないから。
#よりによってハロウィンだし
えんとつ町関連の楽しい空間を作った時、いつも「アイツに見せてやりたかったな」と思うのですが、今回は特に強く思ったかも。
そんな場所で『夢幻鉄道』が歌われるんだから、たまらんです。
歌い手が僕じゃなくて良かった。
『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』に来られる皆様へ。
目の前で困っている人がいたら声をかけてあげて、子供がいたら優しくしてやってください。
彼女が信じたのは、そういう町です。
何卒、宜しくお願いいたします。
現場からは以上です。
【追伸①】
「https://salon.jp/nishino」を付けて今日の記事の感想を呟いていただけたら、西野がエゴサーチで見つけ出してニヤニヤします。
宜しくお願いいたします。
【追伸②】
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リハーサル中。
https://vimeo.com/878883333/a97b92daf4
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