クラウドファンディング『SILKHAT』の問題点

投稿日:2019.02.09 / 西野亮廣エンタメ研究所

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【ここ最近の あらすじ】

テレビに出ているわけでもないし、地方営業も断る。「吉本芸人大集合」的な番組やイベントは勿論、お断り。

よくよく考えてみると、そこそこ御世話になっている吉本興業に何も還元できていないことに気づいた西野は、吉本興業発のクラウドファンディング『SILKHAT(シルクハット)』の立ち上げ&運営監修することで、吉本興業への恩返しを計画。

「立ち上げ3ヶ月で支援総額1億円を突破」という好調なスタートを切ったかのように見える『SILKHAT』だが、首をひねる西野。

はたして、「西野の懸念」とは?



こんにちは。
堀江貴文さんとのダブルMCの特番の収録があったのですが、主婦が一人も見てくれないんじゃないだろうか?という不安に苛まれているキングコング西野です。
(※番組はメチャクチャ面白かったです)

さて。

「あらすじ」にもありましたとおり、今日は吉本興業発のクラウドファンディング『SILKHAT(シルクハット)』のお話です。

一見、順調そうに見える『SILKHAT』ですが、「このままだと数ヵ月後に沈む」と僕は見ています。
理由を説明します。

これは全てのサービスに言えることですが(なので参考にしてみてください)、サービスは「リピーター」がいないと基本回りません。
つまるところ、“応援し続けてもらわないといけない”わけですね。

その時、サービスを提供する側の人間が最も注意しなければならないのは、「お客さんを応援疲れさせないこと」だと僕は考えています。

お客さんが応援する時に支払っているものは『時間』と『お金』なので、お客さんの人生を第一に考えるならば、お客さんの『時間』と『お金』をイタズラに頂戴するのはよくありません。

いろんな表現者や、いろんなお店を見ていると、ここの配慮をせず、「貰えるもんは貰とけー!」と、お客さんから『時間』と『お金』をガッサー!と貰ってしまっている人が、リピーターが生まれずに、死んでいっています。
お客さんが「応援疲れ」を起こしてしまっているわけですね。

この問題を突破するには、自分の中で『架空のお客さんX』を作って、『架空のお客さんX』の可処分時間と可処分所得を常に計算しておくとイイと思います。
(※「可処分時間」=「自分の判断で自由に使うことのできる時間」)

『架空のお客さんX』の帳簿をつけてみるのもいいかもしれません。
すると、「今月は、あと、いくら残っているか?」が見えてくるので。

他所のオンラインサロンが5000円とか、1万円なのに対して、僕のオンラインサロンの値段が1000円なのは、僕の中での『架空のお客さんX』が“疲れない”ようにする為です。

このことを踏まえて、ここから、SILKHATの話です。

 

SILKHATの問題点

下に添付した画像はSILKHATのトップページです。
よくよく見ると(よくよく見なくても)、たしかに支援は集まっていますが、しかし、立ち上がっている企画のほとんどがキングコング西野周りの企画です。
4分の3は西野と何らかの関係がある企画です。

たくさん企画があるようで、実際のところは、(嫌な表現でスミマセン)『西野コミュニティーの財布』からお金が出ているので、このペースだと間もなく「応援疲れ」を起こしてしまいます。

世間的にクラウドファンディングは、まだまだ浸透していなくて、そりゃ、クラウドファンディングに明るい『西野コミュニティー』の企画を採用していれば、支援も集まりやすいのは分かるのですが、

中長期的に見るなら、これは悪手で、これから吉本興業が頑張らなければならないことは、たとえ規模が小さかろうと別のコミュニティーをSILKHATに呼んでくることだと思います。

僕が呼び込んで、僕が宣伝してしまうと、結局、『西野コミュニティー』の財布からお金が出ていくことになるので、ここばっかりは、吉本興業に頑張ってもらわないといけません。

「○百万円の支援額が集まったー!やったー!」ではなくて、「ちょっと待て。そもそも、そのお金の出所(お財布)はどこだ? そして、その出所の懐事情は今、どうなってる?」と考えることが大切ですね。

これは、すべてのサービスに言えることです。

現場からは以上でーす。

 

 

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