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そこで、別のルートで突き抜けようとレギュラー以外の仕事を全部やめて、全く経験も興味もなかった絵本の世界に飛び込む。プロの絵本作家に勝つくらいのものを作ると決め、自分はプロの絵本作家と比べて画力もなく、出版のノウハウやコネもツテもないが、副業だからこそ無限に時間をかけることができると気づく。そこで、文房具屋に行って一番細いペンを買い、今までテレビ番組出演などにかけていた時間をすべて費やして、独学で絵を学びながら緻密な絵を描きはじめる。
お笑いコンビ“キングコング”としていくつもの冠番組を持ち、タレントとしては絶好調の25歳の時に、芸能界では先輩達が大勢いるため、突出した存在になれないという思いを持つ。
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まだ日本でクラウドファンディングがそこまで馴染みのない中、初めてクラウドファンディングで出資を募る。目標金額を大幅に超えて達成し、2013年2月にニューヨーク・トライベッカのOne Art Spaceで初の海外絵本絵画展「Akihiro Nishino Solo Art Exhibition」を開催。3日間で1800人集客する。ここからクラウドファンディングのノウハウが溜まりはじめる。
以前から狙っていた海外進出を本格的に始動させるべく、いままで描いた3作品の絵本の原画140点を持ってニューヨークに乗り込むことを開催日1ヶ月前に決意。
「SA-CUS」開始
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“世界で一番楽しい学校”をコンセプトに勉強の楽しさを大人に再認識してもらうべく、西野が校長となって学校をエンタメ化。お笑い芸人をはじめ、実業家や本物の学校の先生まで、あらゆる分野のエキスパートたちが美術や照明、音楽が作り込まれた中で授業を繰り広げる。2014年からはじまり、いまや毎回チケットが即完売する人気イベントに。サロンメンバーが会場作りを手伝うことも。
学生時代勉強が苦手だった西野が、「勉強は楽しい時ほど勉強効率が上がるのだから、学校こそ極限までショーアップすべきだ」という思いからスタートしたイベント「SA-CUS(サーカス)」。
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出演者目当ての集客は期待していないため、すべてのチケットを主催者や観客が手売り。知らない曲をどう盛り上げるかが観客の仕事となり、演者と観客の境界線は曖昧で、全員がクリエイターで全員がオーディエンス。多幸感溢れる空間は、一人で来ても子連れでも楽しめる。西野が唯一参加する忘年会で、エンタメ研究所の忘年会でもある。
西野が発案し、ホームレス小谷が主催する“天才であること”だけが出演者の条件の音楽フェス「天才万博」。2014年より東京キネマ倶楽部で毎年年末に開催されている。
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事前に募ったボランティアスタッフと朝6時から一斉にゴミ拾いを開始し、その後ゴミを再利用してトラッシュアートを制作。区長や一部企業、約500人の一般人を巻き込む異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞した。しかも、“アンチ西野”によって事前にゴミ拾いがされていたことも話題になった。2019年にはハロウィン翌日にサロンメンバーとゴミ拾いをした後にサロンメンバーの店で呑み歩き。エンタメ研究所の定番イベントにしようと企てている。
ハロウィンパーティーで渋谷に集まった人々が捨てたゴミが問題になり、それならゴミが出ることを逆手にとって、ハロウィン翌朝に“ゴミがないと成立しないイベント”を新しく作ればいいという発想から生まれたゴミ回収プロジェクト。
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2017年に発売した『革命のファンファーレ~現代のお金と広告~』(幻冬社)は発行部数15万部を超え、エンタメ研究所にも注目が集まる。その後も、『バカとつき合うな』(堀江貴文との共著、徳間書店)、『新世界』(KADOKAWA)、『新・魔法のコンパス』(KADOKAWA)、『夢と金』(幻冬社)と次々に発売し、累計100万部を突破。お金を稼ぐのではなく、信用を稼ぐことの重要性とその方法を説いた内容は、ビジネスパーソンをはじめ幅広い層に共感を得る。
2016年、自身の経験をもとにした初のビジネス書『魔法のコンパス~道なき道の歩き方~』(主婦と生活社)を発売し、発行部数10万部のヒット。
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西野をプロデューサーとして、イラスト・着色・デザインなど総勢33名のクリエイターによる分業体制で4年半をかけて制作し、2016年に『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)を発売。5000部でヒットと呼ばれる絵本業界で、72万部(2023年2月現在)を超える異例の数字を叩き出す。クラウドファンディングで集めた宣伝費を使い、西野個人で絵本発売を告知する新聞広告を出稿したことも話題になった。
なぜ絵本は一人で描くのだろうかと疑問が湧き、映画のように得意分野を活かして超分業制で絵本を作ってみたら面白いと思いつく。前例のないこの取り組みのためにかかる莫大な制作費は、クラウドファンディングを使って資金を調達。
無料公開
絵本『えんとつ町のプペル』を発売から3ヶ月も経っていない中、絵本の全ページをインターネットで無料公開し、賛否両論を呼ぶ。一冊も売れなくなってしまうかと思いきや、絵本の内容をしっかり把握してから子どもの絵本を選びたい、フルカラーの絵本だからこそ書店で手にとってみたいという心理をつき、結果的に絵本の売り上げにも貢献。無料からお金を生み出すフリーミアム戦略として評価される。
「スナック『キャンディ』」
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西野が疑問や課題に感じたことをエンタメ研究所で議論と実験を繰り返し、クラウドファンディングで資金を調達しながら、新たなサービスが続々と生まれはじめる。一緒に働くスタッフはサロンメンバーからヘッドハンティングされることもある。ほかにも、全国20店舗以上で展開している会員制のスナック「キャンディ」のオーナーなど、コミュニケーションを楽しむ場づくりも行う。
1文字5円で購入したポイントを使って、気持ちを伝えたい相手に手紙(レター) を贈ることができるサービス「レターポット」。
リベンジ成人式をプレゼント
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振り袖を無料で提供したほか、着付けとヘアメイク、プロのカメラマンによる写真撮影も無料。さらに、クルージングディナーをプレゼントし、成人式に参加できなかった新成人約100人と同伴者が参加した。西野の呼びかけで、多くの大人たちの力が加わり、スタッフら約200名、ボランティアスタッフ約100名などの手により執り行われ、大きな話題となる。サロンメンバー数百名もスタッフとして参加した。
振り袖の販売・レンタル業者「はれのひ」の事件のニュースを知ったスタッフから「何かしましょう」と言われた西野が、被害に遭った新成人のために成人式を企画。「あらためて新成人を祝う会」と名づけ、横浜港大さん橋国際客船ターミナルで開催した。
個展開催
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実はフランス国内外のアーティスト全体を見てもこのような展示の前例はなく、パリの地元民からも大きな関心が集まったという。塔内1階のガラスで覆われたサロン内に、『えんとつ町のプペル』『チックタック 約束の時計台』2冊の絵本の挿絵全82枚を展示。各国語で出版された本を閲覧できるコーナーやARとVRのコーナーも設置された。サロンメンバーも展示の運営に参加した。
サロンメンバーと一緒に仕掛けた「チックタック ~光る絵本と光る満願寺展~」が評判を呼び、東京タワーとパリのエッフェル塔で、それぞれ個展を開催。エッフェル塔にて個展を開催するのは、日本人アーティスト初の快挙で、2日間で6千人を超える来場者が訪れた。
「こどもギフト」
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新しくできた学校には『School of POUPELLE』のロゴが掲げられている。ほかにも、世界の子どもたちに絵本を贈るプロジェクト「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」を立ち上げ。オンラインサロンのシステムを使い、毎月2000円の定額で受付ける寄付をもとに、毎月会員一人につき1冊の絵本をスタッフが責任を持って現地の子どもたちに届けている。
国内外の子どもたちや子どもの教育環境に支援をし続けている西野。2020年には、ラオスに小学校を建設。『チックタック ~約束の時計台~』という絵本を描く際に物語のイメージの舞台となるラオスの山奥「ララ村」へ訪れたのが縁で、絵本の印税で建てられた。
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声優は窪田正孝、芦田愛菜、立川志の輔、小池栄子らが名を連ねるほか、オープニング主題歌にHYDE、エンディング主題歌にはロザリーナが参加。全国の映画館を回り、ファンとの鑑賞会を開催するなどの地道な活動や、スマートフォンアプリを使用した西野による副音声付き上映などを仕掛け、公開以来5ヶ月以上のロングランを記録し、観客動員196万人、興行収入27億円のヒット。第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した。
西野がついに絵本『えんとつ町のプペル』をアニメーション映画化するという大勝負に出る。西野自ら製作総指揮・脚本を手がけ、絵本では描かれなかったえんとつ町の“本当の物語”を描き出した。
2021年11月、西野のベストセラー絵本『えんとつ町のプペル』が初めての公式ミュージカル化。原作の西野が脚本・演出として参加し、ニューヨークのクリエイター陣が音楽制作を担当。ミュージカル界を牽引するキャスト・スタッフと共に本格ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が完成し、東京で上演した。 その後、ミュージカルという素晴らしいエンターテイメントを通して、より多くの人に感動を届けたいという想いから、ミュージカル全編を公式YouTubeチャンネルにて無料公開。クレーンカメラを含む7台のカメラを⼊れて撮影した臨場感溢れる映像は、すでに100万回以上視聴されている。
『プペル~天明の護美人間~』
公演
今度は絵本『えんとつ町のプペル』が新作歌舞伎に!映画を観た歌舞伎俳優・十三代目 市川團十郎に依頼され、西野が歌舞伎のためにゼロから脚本を執筆。衣裳、かつらなど歌舞伎ならではの要素や演出を全面的に取り入れ、日本を代表とする伝統芸能である歌舞伎として、新たな世界を創り上げた。 主人公のプペル役は十三代目 市川團十郎、はる(絵本ではルビッチ)役に実の子どもである市川ぼたんと堀越勸玄がダブルキャストで交互に出演し、親子共演も話題となった。
in 日本武道館』開催
お笑い芸人キングコングの西野亮廣と梶原雄太が2人っきりでトークを行う『毎週キングコング』。2013年8月にYouTubeチャンネルがスタートしてから8年6ヶ月を経て、2022年2月に憧れの日本武道館で単独トークライブ『毎週キングコング in 日本武道館』を開催した。 ライブの最後にはサプライズで約2年ぶりの漫才を披露し、会場は大盛り上がり!出演したキングコングの2人も、日本武道館に集まった観客も、お笑いライブとして楽しんだだけではなく、それまでの紆余曲折も含めて感動の渦に包まれたイベントとなった。来場した観客による評判が評判を呼び、劇場チケットとオンライン配信チケットを合わせて3万人を超える動員を記録した。
ミュージカルの本場、ニューヨークのブロードウェイで、ミュージカル『えんとつ町のプペル(英題:Poupelle of Chimney Town)』のリーディング公演を行った。リーディング公演とは、関係者に向けたストーリーのお披露目会(プレゼン会)のこと。公演後に関係者から意見をもらい、その後ブラッシュアップを繰り返していく。 日本から遠隔で作るのではなく、ニューヨークに拠点を作り、オフブロードウェイでの上演に向けて着々と準備を進めている。
DAO(分散型自立組織)やNFT(非代替性トークン)などについて学ぶオンライン勉強会『仮想通貨勉強会』がきっかけで発足したDAOコミュニティ「CHIMNEY TOWN DAO」。2022年ハロウィンの日に、西野の作品『えんとつ町のプペル』に登場するゴミ人間プペルのパッチワークをイメージしてデザインされたNFTコレクション『Halloween Poupelle』を販売したところ、ー般販売前のプライベートセール開始後47秒で1万点全てが売り切れ、OpenSeaでの取引量で世界1位を獲得。トレンドランキングでも1位を獲得した。
クリスマスに絵本5000冊を贈る
シングルファミリー自立支援団体の一般社団法人ハートフルファミリーとパートナーシップ契約を締結。クリスマスに、全国のシングルファミリーの子どもたちに絵本『えんとつ町のプペル』を5,000冊プレゼントした。 世界中の子どもたちに絵本を贈る「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」プロジェクトや、絵本を支援したことを証明するNFTを購入してもらい、その資金で絵本を寄贈する『絵本支援NFT』プロジェクトを含め、絵本『えんとつ町のプペル』をこれまでに2万6000冊以上(2023年4月現在)を贈っている。
プロジェクトスタート!
西野の発案ではじまった、謎のアイドルバンド「バンドザウルス」。バンドメンバーは未定なため、DAOのメンバーの協力のもと、AIが生成した画像を公式なアーティスト写真として利用。バンドメンバーもいない、楽曲も1曲もない中、毎日、Instagramに最新のアーティスト写真がアップされ続けるという謎の展開を見せている。 すでにオークション専用サイトもオープンし、バンドザウルスの幼少期の写真をNFTとして販売。ライブの予定も決まっていないのに、発売されたLIVEタオル900枚が完売するなど、今後の活動から目が離せない。